八ヶ岳南麓で見つけた「第二の暮らし」〜北杜市小淵沢 S邸

八ヶ岳南麓で見つけた「第二の暮らし」〜北杜市小淵沢 S邸

静岡でお茶の事業に長年携われてきたSさん。店舗を任され、長年母親と二人三脚で切り盛りしてきました。

「母はずっと働いてきた人でした。『ゆっくり本を読む空間が欲しい』って、いつも言ってたんです。でも結局、そういう時間を持てなかった。だからそんな空間をつくりました」

そう話すSさんが選んだのは、八ヶ岳南麓、小淵沢でした。

八ヶ岳南麓はもともと馴染み深い場所でした

二十歳頃からスキーで清里にはよく来ていたSさん。八ヶ岳南麓はもともと馴染み深い場所でした。

「ビーナスラインを走っていて、車を止めて、ぼーっと畑を眺めて、南アルプスを眺めていたら、なんかすごく気持ちのいい空間で『いいなぁ』と思って。そのときは家を建てるという気持ちはなかったんですけど、早期退職して人生を考え直した時に、ここにセカンドハウスがあってもいいのかなと思ったんです」

八ヶ岳のイメージ・AC写真より

そうして、ここ八ヶ岳南麓に居を構えました。

八ヶ岳南麓には全国でも珍しく「外乗*」ができるコースがあります。この外乗に惹かれて、Sさんは昔から山梨に通っていました。ここに居を構えてからは手軽に行けるようになり、「すごく気持ちが落ち着き、リセットできます」とのこと。

* 外乗:森の中など自然の中で乗馬をすること

八ヶ岳全部が見えるように設計

当初設計してもらった位置だと山の風景が少し欠けてしまいました。そこで、二階の窓から八ヶ岳全部が見えるところまで、家の位置をずらす設計変更を行いました。その結果、二階の窓から八ヶ岳の風景が臨めます。

ここは標高が高く、星空もきれい。その星空をどこにいても眺められるようにと、リビングの天井近くに大きな窓を設けました。

日が沈んだら最低限の照明に切り替え、リビングにいながらにして、星や月が眺める。それは、街ではなかなか実現できない贅沢なひとときです。

ただ、朝になると強い日差しが直接部屋に入るので、カーテンをつけてもらいました。

「周りに高い建物がないから、空が全部見えるんです。朝方になると、北斗七星がくっきり見えます。西の空が暗くなる頃に、友達とデッキにロッキングチェアを出して、ずっと空を眺めたりしました」

二階の寝室にも大きな窓が二つ。眠りにつく直前まで八ヶ岳の上に広がる夜空を画面いっぱいに楽しめます。

内装は白基調で落ち着いた雰囲気。キッチンの壁が水色でアクセントカラー。

「空の青が好きだけど、空の青にしてしまうと重い印象になるので、明るいパステルの青にしました」

仕上げは漆喰。コテと板を使って従姉妹と一緒に塗ったそうです。きれいに仕上がっています。

お子様がご友人と八ヶ岳方面に遊びに来る時は、ここが宿泊拠点になります。

「断熱施工」と「効果的な暖」

八ヶ岳の冬は厳しい。

「断熱」と「効率的な暖」が欠かせませんが、S邸ではサッシはすべてペアガラス(アルミ樹脂複合サッシ)、効果的な暖として薪ストーブを入れました。静岡で伐採の仕事をされている友人が、いつも玉切りの丸太を用意してくれます。薪割りはご自身で行います。

「それでも真冬は、ストーブをつけてしばらく経たないと家全体が暖まらない」ので、「さすがにその時期は友人に気軽においでとは誘えない」そうです。ただ、ご自身はというと、そんな冬の暮らしも楽しんでいます。

「静岡に比べたら寒いですけど、でも私はその方が楽しいです。 薪ストーブの扱いも慣れてきました。はじめは、木村さんにいろいろ聞いてばかりで・・・家の中で火を使うという概念がなかったので。ストーブの火入れの仕方とか、火をどのくらいにして出かけていいのかとか教えてもらいました。

以前より早く温まることで生活が随分違い、冷える朝晩も快適な生活が送れるようになりました。まだまだ勉強不足ですが、ストーブとの関わり方や体に染み込む暖かさが心地よくなりました」

居を構えてからの暮らし

退職を機に、中国茶と中国語を学ぶため中国の大学へ留学したSさん。帰国後は、中国茶の資格と日本茶インストラクターの資格を活かしてお茶に関わるイベントを主催し、後世にお茶の魅力を伝える活動を続けられています。

「母がいなくなって、頑張ることを少し手放しました。若いときは仕事がすべて。その母がいなくなっちゃうと、いくらやっぱり1人で頑張っても限界があるし、そこまで身を粉にして働くよりは、ちょっとゆっくりした生活をしたいなと思って、今の働き方に変わりました。ここでの暮らしが、私を引っ張ってくれてる感じがします」

Sさんが扱うお茶は、8BASE内「myCABIN」でも販売されています。静岡の一番茶だけを使ったほうじ茶で、苦みがなく飲みやすく、人気です。