目次
古きを活かし、新しきを創る
残すべきものを見極める
中古物件のリフォームで最も大切にしたのは、**「この家が持つ歴史を尊重すること」**でした。

特に印象的だったのが、1階から2階へと続く美しい木製階段。年月を経て深みを増した木の質感、一つひとつ手作業で仕上げられた手すりや親柱。これらは、この家が歩んできた時間の証です。

「この階段は絶対に残したい」
そう決めてから、リフォーム全体のトーンが定まりました。

階段の持つ温かみと重厚感に調和する空間づくり。昔ながらの木材の良さを活かしながら、現代の暮らしに必要な機能性を取り入れる。そんなバランスを追求しました。
空間ごとの工夫とこだわり
【吹き抜けリビング】家族を繋ぐ心臓部
リフォームの最大の目玉は、吹き抜け空間の創出です。
1階と2階を視覚的・空間的に繋ぐ吹き抜けは、単なる開放感だけでなく、コミュニケーションを促進する装置として機能します。

- 1階で料理をしていても、2階の部屋の気配を感じられる
- 2階のロフトから「ごはんだよー!」と声をかけると、家中に響く
- 大きな窓から差し込む光が、吹き抜けを通して家全体を明るく照らす
構造材として残した太い木の梁が、吹き抜けの骨格を力強く支えています。この梁は以前からあったもの。あえて露出させることで、空間に立体感とリズムを生み出しました。

【X型の構造デザイン】機能美を楽しむ
リビングエリアに設けたX型の木製フレームは、構造補強の役割を果たしながら、空間のアクセントとしても機能しています。
木材の温かみと幾何学的な造形美が融合したこのデザインは、「古民家風」と「モダン」の絶妙なバランスを象徴する要素となりました。

【大開口の窓】清里の自然を取り込む
清里の最大の魅力は、なんといっても森に囲まれた豊かな自然環境。
そこで、できる限り大きな窓を配置し、室内から四季折々の景色を楽しめるようにしました。

- リビングの大きなFIX窓からは、目の前に広がる森の緑
- ダイニングの連窓からは、朝日とともに目覚める贅沢
- 窓からは、空を切り取るような額縁効果
窓枠には濃い木材を使用し、外の緑と室内の温かみをしっかりと区切ることで、それぞれが引き立つ構成にしています。
2階|ワクワクする秘密基地空間

【ロフトスペース】自由な発想で使える多目的エリア
2階は勾配天井を活かしたロフト仕様になっています。
天井が低く、こぢんまりとした空間だからこそ生まれる「包まれ感」。まるで秘密基地のようなこの場所は:
- 遊び場
- 読書や趣味に没頭するスペース
- 在宅ワークの集中ブース
- ゲストが泊まる時の寝室
使い方は無限大。家族それぞれが自由に使える「第3の居場所」として設計しました。

【露出した梁と柱】構造を見せる美学
2階の天井には、構造体である木の梁や柱を意図的に露出させています。
通常は隠してしまう構造材ですが、これこそが木造建築の醍醐味。力強く空間を支える木材の存在感が、居心地の良さと安心感をもたらしてくれます。

梁に設置した丸い照明は、夜になると柔らかな光の陰影を天井に映し出し、幻想的な雰囲気を演出してくれます。
ディテールへのこだわり

【洗面台】造作家具で実現する使い勝手
洗面所には、オーダーメイドの木製造作洗面台を設置しました。
- 無垢材の温かみある質感
- 下部には籐のバスケットを配置し、タオルや洗剤をすっきり収納
- 白いタイル張りのバックスプラッシュで清潔感をプラス
- 木枠の鏡と小窓が、シンプルながら洗練された印象に
毎朝使う場所だからこそ、心地よさにこだわりました。

【造り付け収納】出っ張りも個性に変える
窓際に設けた造り付けのカウンター収納は、空間の凹凸を上手に活用した事例です。
元々あった柱や構造の関係で生まれたデッドスペースを、飾り棚や作業カウンターとして再生。観葉植物を置いたり、ちょっとした作業をしたり、使い勝手の良いスペースになりました。
完成した家での暮らし
リフォームが完成してから数ヶ月。
毎朝、大きな窓から差し込む光で目を覚まし、森の景色を眺めながらコーヒーを飲む。2階のロフトから「おはよう!」と家族の声が降ってくる。夜は吹き抜けに響く笑い声に包まれながら、一日を振り返る。
この家は、私たちにとって単なる「住居」ではなく、家族の絆を育む「居場所」に。
中古物件だからこそ持っていた個性と歴史。それを活かしながら、私たちらしい空間に生まれ変わらせたこのリフォームは、まさに「古きを活かし、新しきを創る」という理念の結晶です。
北杜市清里でのリフォーム生活。
それは、家づくりを通して「本当に大切なものは何か」を改めて考える機会になります。
- 新築にはない、時間が育んだ味わい
- 自然との一体感
- 家族とのコミュニケーション
- 自分たちの手で創り上げる喜び
もし、中古物件のリフォームを検討されている方がいらっしゃれば、ぜひ一度「残すべきもの」を見極めてみてください。
